ストーカーが事件を起こす

前回の更新「ストーカーからの問い合わせ1」の続きです。

「胡散臭い相談メール」に返信メールを出してから2週間ほど経っても返事のメールはきませんでした。

「予想通り返事はこなかった」というのがその時の感想で、これで相談メールを送ってきた人物はストーカーか、もしくはそれに類する人物であると確信しました。

探している対象が「恩人」で、探す理由が「お礼を言うため」ならば、仮に調査をして捜索対象が見つかったとして、その捜索対象に「あなたにお礼を伝えたい人がいます、住所を伝えてもよいですか」と確認をとることは、何の問題もないことのはずです。

ですが当該相談メールを送ってきた人物としては、捜索対象に「誰かが自分を探している」という事実が伝わるのは都合の悪いことだったのでしょう。何らかの後ろめたい理由があって。

事件が起きたことを知る

その頃、私は調査が立て込んでしまい忙しい日々を送っていました。

私は普段からあまりテレビを見ない人なんですが、忙しいこともあってニュースなども全く見ていない状態でした。

そんな日々の中、ある調査現場に向かっているときのこと。その日、一緒に調査をすることになった同業のベテラン探偵さんから「探偵絡みの事件」が起こったことを教えられました。

その事件は、ある男性が探偵に調査を依頼して女性の自宅を特定、男性は女性の自宅で女性を殺害した後に自殺したという内容。

探偵絡みということで興味があり事件の詳細を聞いてみると、事件は「神奈川県○○市△△のアパート」で起こったらしい。

相談メールの人物と事件の犯人は同一人物

ベテラン探偵さんに「そういえばうちにも怪しい相談メールきましたよ」と話そうとしたときはっとした。

事件の起こった「神奈川県○○市△△」・・・何か記憶にあると思っていたら、例の「胡散臭い相談メール」に書かれていた、捜索対象者の現在の居住先と思われる地域と同じではないか、と。

この時点で確信した、あの「胡散臭い相談メール」を送ってきたのは当該事件の加害者であると。

確信したのは地域が同じだからという理由だけではない。

相談メールが送られてきたのが2012年10月下旬、事件はそれから10日ほど過ぎたタイミングで起きていることや、相談メールの送信者メールアドレスの一部に使われている日本人女性の名前、それが被害者女性の名前と一致していたことなども含めて確信に至った。

探偵の責任

この件があって改めて考えさせられた。

少なくとも私個人は探偵として、さまざまな悩み・問題を抱えた”まっとうな人たち”の手助けをするために日々活動を続けているつもりでいます。

しかし一歩間違えれば、ひと一人の人生を台無しにしてしまう立場であるというのも事実です。

当該事件のような大きな問題ではなくても、例えば探偵が頻繁に受ける浮気調査のような案件でも当事者にとっては人生がかかっているということを、常に認識していかなければならないと強く思いました。

しかし被害者女性の自宅を特定した探偵は、なぜ依頼を受けてしまったのだろう。

単純に相談メールの内容に疑いを持たず依頼を受けたということであれば、それは探偵としての資質が足りないと思うし、結果がどうなろうがお金さえ稼げればよいと考えていたなら論外です。事の重大さを理解していたのか、それが気になってしょうがありません。

「犯罪や差別に繋がるような調査をしてはいけない」探偵業法でそう定められています。

ですから、探偵は少しでも不審な点がある調査依頼は受けたら駄目なのです。

主な探偵業務エリア

探偵・興信所「マックス調査事務所 相模原」では神奈川県相模原市を拠点として、全国を対象とした探偵業務活動(浮気調査・人探し等)を行っております。神奈川県相模原市の周辺地域(八王子市・町田市・厚木市・座間市・大和市等)では無料出張相談も行っております。移動経費等、一切費用はいただきませんので、お気軽にご相談ください。