探偵・興信所が請け負う調査依頼の1つに「素行調査」という調査があります。「素行」とは「平素の行い・ふだんの品行」を意味する言葉です。つまり「素行調査」とはその名の通り、調査対象者の行動を監視する調査です。

探偵・興信所が受ける調査依頼は浮気調査が最も多く、6割~7割が浮気調査であると言われています。ご相談件数という点においては素行調査は浮気調査に劣りますが、それでも定期的に素行調査に関するお問い合わせをいただくことからも、素行調査の需要が常に一定数あることが分かります。

そこで本記事では、当探偵社が実際に調査依頼として受けた「素行調査」の実例をご紹介したいと思います。ご紹介する案件は法人様からのご依頼です。会社に所属する社員の行動を監視するという内容になります。

なお人物や会社の特定を防ぐために、フェイクを含む内容であることを予めご了承ください。

案件内容:社員の素行調査

社員 素行調査

本記事でご紹介する素行調査は、神奈川県内に所在する会社からのご依頼です。同社は精密機器を取り扱う社員40名ほどの規模の会社。電話でのお問い合わせをいただき、同社での出張面談を行いました。

同社の社長からお話を伺ったところ、社員の勤務終了後の行動を監視して欲しいとのことでした。調査対象者となる「社員A」は同社に10年以上勤務している40代前半の男性。

何故、社員Aの素行調査を依頼しようと考えたのかというと、社員Aが勤務中に頻繁に居眠りをするようになったことが理由らしい。それも、眠そうにウトウトするというレベルではなく、完全に熟睡してしまっているようなことが何度もあったようです。

そのような状況で社長は社員Aが睡眠時間を削って、何かしているのではないかと考えました。社長は2つの予想をもっていて、1つはお酒が大好きな社員Aが毎晩のように居酒屋などに通っているのではないかという予想、もう1つは同社での勤務終了後にパート・アルバイトをしているのではないかと予想していました。

毎晩飲み歩いているのであれば仕事に影響が出ないように、生活習慣を変えるよう指導しなければなりません。また、同社は副業を禁止していましたから、アルバイトをしているのであれば警告して辞めてもらわなければなりません。以上のような理由から、同社社長は当探偵社に素行調査の依頼をしたわけです。

素行調査プラン

調査対象者である「社員A」は40代前半の既婚男性で、家族構成は妻と子供2人の4人家族。通勤には車またはバイクを利用しており、神奈川県内にある自宅(団地)と会社は片道20分程の距離でした。

所有車両の種類は軽自動車と125㏄のスクーター。通勤には主にスクーターを利用しており、雨の日などは軽自動車を使うこともあるようでした。

この時点では社員Aが勤務終了後に一旦自宅に帰るのか、またはそのまま何処かに行ってしまうのか分かりません。更に自宅に帰宅してから出かける場合、軽自動車で出掛けるのかスクーターで出掛けるのかも分かりません。スクーターで移動された場合、尾行は非常に難しくなります。

その為、まずは社員Aが勤務終了後に自宅に戻るかどうかの確認と、帰宅後に出掛けるのであれば軽自動車とスクーターのどちらを利用するのかを確認することから始めることにいたしました。

素行調査初日

尾行 素行調査

社員Aの勤務は18時頃に終了することが多い為、19時頃から社員Aの自宅団地で調査を開始することに決定しました。

調査当日、当探偵社の調査員は17時頃に社員Aの自宅団地に入り、事前調査を行いました。社員Aが住んでいる団地建物のすぐ下には自転車置き場があり、自転車と一緒にスクーターも何台か停まっている。団地の駐車場をかなり広範囲に確認してみましたが、事前に提供していただいた社員Aの軽自動車の情報と一致する車両は駐車されていませんでした。

一通り団地内のチェックをした後、当探偵社の調査員は団地建物付近で張り込みを開始。そして19時を少し過ぎた頃に社員Aがスクーターで自宅団地に戻ってくるのを確認しました。その後、社員Aは予想通り自転車置き場にスクーターを停め団地建物に入ります。

社員Aが団地建物に入ってから2時間程過ぎた頃、社員Aが団地建物から出てきてスクーターで出掛けました。スクーターの尾行は非常に難しいです。スクーターは自動車の横をすり抜けて走れますし、100㏄前後のスクーターは加速も優れていますから尾行対象のスクーターとの距離を取り過ぎると簡単に見失ってしまいます。だからといって真後ろにピッタリ付くような尾行だと、尾行がバレるリスクが高まります。ですからこの時は尾行がバレない距離を保ち、可能な限り走行ルートを把握するように尾行を行いました。

尾行を開始して10分程経った時、社員Aのスクーターが右折。当探偵社の車両も加速して右折しましたがスクーターの姿を確認できません。右折した先はしばらく直進のみの道路でしたので走っていれば姿は確認できるはず。ということは付近の建物や敷地に入っている可能性が高いはずです。

調査員が付近を捜索した結果、推測通り駐輪されたスクーターを発見しました。しかし、残念ながら社員Aの姿は既になく、この日の調査はこの時点で終了しました。

素行調査2日目

社員 アルバイト

初日の調査で社員Aがスクーターで向かう目的地は判明していたので、その地点で待ち伏せを実施しました。

初日の尾行調査では21時30分頃に当該目的地に到着していたので、余裕をもって20時30分頃から待ち伏せを開始。21時30分を過ぎても社員Aのスクーターは来ませんでしたが、代わりに1台のハイエース(ワンボックス車)が停まりました。

ハイエースに乗っているのは運転手の男性だけのようで、同男性はハイエースを停めた敷地内にある倉庫(プレハブ?)から何かの道具を持ち出し、ハイエースの荷台に積んでいます。

そうしているうちに社員Aのスクーターも当該目的地に到着。社員Aはハイエース運転手の男性と挨拶を交わし、道具の積み込みを手伝う。道具の種類を見る限り、どうやら清掃系の道具を積んでいるようです。

道具を積み終えた2人はハイエースに乗って移動を開始します。この時点で社員Aがアルバイトをしている可能性は極めて高くなりましたが、よりしっかりとした証拠を確保するためにハイエースを尾行します。

ハイエースは30分程一般道を移動後、神奈川県内の某パチンコ店の前に停まりました。ハイエースから降りた運転手の男性と社員Aは、ハイエースの荷台から床清掃用の業務用ポリッシャーやモップなどを降ろしています。

途中から同パチンコ店で合流したと思われる男性2名が加わり、男性4名(社員Aを含む)で作業を行っていました。この時点で既にアルバイトをしていることを証明する証拠は十分でしたが、この後2時間程、パチンコ店を出入りしながら作業する社員Aの姿を撮影し調査を終了としました。

また、ハイエース車体のプリントと、清掃用具を取り出した倉庫(プレハブ)に設置された看板からアルバイト先の社名もしっかりと押さえました。

社員の素行調査~さいごに

後日、依頼会社の社長に調査結果を報告いたしました。証拠の映像もクッキリハッキリと撮れていましたので、大変満足いただけたようです。結果に関しては予想していたこともあり、特に驚くようなこともなかったようでした。

本調査では料金を抑えるためにアルバイト中に調査を終了しましたが、おそらく朝の4時ぐらいまでは働いていたのではないかと推測しています。実は私も若い頃に店舗清掃のアルバイトをしていたことがあるので大体分かるのです。

朝4時まで働いていれば、帰って寝る時間は2~3時間しかないでしょう。しかも、社員Aは2日間連続でアルバイトに行っていましたから、昼間の仕事中に居眠りするのも納得です。

近年の不況もあり、様々な理由で本業以外の収入が必要になる方も多いと思います。しかし、会社の規定で禁止されているのであれば黙って副業やアルバイトをするのはいけませんし、許されていたとしても本業に支障が出るようでは会社に迷惑がかかります。

こういったことは会社を運営する側からとすれば大問題で、会社に大きな損害を与えます。本記事でご紹介した案件の調査費用は10万円強程でした。同じような問題を抱えている事業主様がおられましたら、当探偵社にご相談いただければと思います。

ご家族・社員などの素行調査は当探偵社へ

探偵・興信所「マックス調査事務所 相模原」では神奈川県相模原市及び周辺地域(町田市・八王子市・座間市・大和市・綾瀬市・海老名市・厚木市・愛甲郡など)にお住まいの方をメインに、全国を対象とした探偵業務活動(浮気調査・素行調査・人探し等)を行っております。お気軽にお問い合わせください。