尾行の失敗?~過失・不可抗力・中断(2)

尾行の失敗?~過失・不可抗力・中断(1)」の続きです。

前回の更新では尾行途中に尾行を終了せざるを得ない状況として「探偵の過失による尾行の失敗」と「不可抗力による尾行の終了」の例を挙げて説明しました。今回は、探偵が自身の判断で尾行を中断するケースについて説明してみたいと思います。

探偵の状況判断による尾行の中断

尾行は探偵の基本技術のうちの一つです。主に「尾行」と「張り込み」を繰り返し対象者の行動を監視するのが、所謂「行動調査(浮気・素行)」ということになります。で、この対象者の行動を監視する際にはいくつか重要なことがあるのですね。例えば「対象者を見失わないこと」、これは探偵ではない一般の方でもぱっと思いつくことではないでしょうか。単純に「見失わないこと」といっても、見失わないためには色々気をつけないといけないことがあるのですが、それを説明し始めると長くなるので今回は省かせて下さい(対象者を見失わないための基本というのは勿論あるのですが、それよりも経験や直感という部分の割合が
大きくて説明が難しいというのもあります)。他には可能な限り対象者の行動を映像に収めること。探偵にとって対象者の行動を撮影することは尾行の技術という、その範疇に含まれます。依頼者さまは尾行中の現場を見ているわけではありませんから、報告書に載せる映像は重要です。文章だけでは真実味がないですからね。

で、尾行する際に一番重要なのは何なのか?それはずばり「ばれないこと」です。言われてみると当たり前なことかもしれませんが、一般の方に「尾行する時に大事なことは?」と質問しても「ばれないこと」っていう回答はなかなか出てこないものなんです。どうしても「見失わないこと」っていうのが頭の中で優先
されるようです。

「ばれないこと」っていうのは尾行に於ける最重要事項ですから、探偵は「ばれるぐらいなら見失ったほうがまし」と考えて尾行するわけです。言葉が乱暴で無責任に感じてしまうかもしれませんが、要するに「尾行していることが発覚する可能性が高いなら、その時点で尾行を中断しよう」という探偵の判断なんです。こういった探偵の状況判断による尾行の中断は「尾行の失敗」とは違います。しかし「尾行がばれるかもしれない」という、その状況を作り出してしまったのが探偵であるのならばそれは「尾行の失敗」ということになります。例えば不用意に対象者の近くに行き過ぎたとか、張り込み場所が露骨で対象者に不審がられたとか、そういった迂闊な行動を探偵がとった場合の話です。ただ、先に述べたように探偵は「ばれないこと」を最優先として尾行をしていますから、探偵が「尾行がばれるかもしれない」状況を作るというのは殆どない筈です。少なくとも当探偵事務所では尾行中に少しでもリスクがある場合にはその都度、依頼者さまにどうするかを確認させてもらいますし(例:尾行の中断若しくは失尾覚悟での尾行の継続)、多くの場合、契約時に尾行の中断の部分に関して、ある程度の取り決めをさせてもらっています。

尾行を途中で終了する理由 まとめ

今回と前回の更新で尾行を終了する際の状況を、大きく3つに分けて説明してみました。実際、尾行中に不可抗力により尾行の継続が困難になるパターンや、それまでの探偵の尾行に問題は無いが、尾行を継続すれば対象者にばれてしまう可能性が高いと判断出来る状況は多々あることです。ですから当探偵事務所では、このことについてご相談時にしつこいぐらいに説明させてもらっています。説明にご納得頂けないようであれば、契約の締結をお断りするぐらいです。探偵と依頼者さまの理解のずれがトラブルに繋がりやすいケースですからね。

尾行を途中で終了した場合、その全てが探偵側の責任とは限らないということをご理解して頂けると幸いです。状況により尾行を途中で終了(中断)するというのは、その先の調査を滞りなく進め目的の結果を得るための判断であり、ご依頼者さまの利益を考えた判断でもあるのです。